関係構築・継続
ディズニーの学び
『ディズニー サービスの神様』から学ぶ、感動レベルの顧客対応。
ディズニーのキャスト(従業員)は「サービス」ではなく「魔法」を提供する。その根底にあるのは、お客様一人ひとりに「特別な存在」だと感じてもらう徹底した姿勢。営業にそのまま応用できる。
原則1:分かろうと寄り添う
お客様の言葉の裏にある本当の気持ちを理解しようとする姿勢。「何を言っているか」ではなく「何を感じているか」に注目する。
- お客様が「検討します」と言った時、その裏には何がある?不安?予算不足?上司への説明が難しい?
- 表面的な言葉を鵜呑みにせず、感情を読み取る
- 「お客様の立場だったら、自分はどう感じるか?」を常に考える
- 寄り添いは「同情」ではない。プロとして一歩先の解決策を持った上での共感
原則2:絆を築く
一度の取引で終わらない関係を作る。お客様が「あの人に会いたい」と思う存在になる。
- 記念日を覚える ― お客様の会社の創業記念日、担当者の誕生日にメッセージを送る
- 小さな約束を守る ― 「資料送ります」と言ったら1時間以内に送る。小さな約束の積み重ねが信頼
- 取引がない時も連絡する ― 売り込みではなく、相手に役立つ情報を定期的に提供する
- 名前を覚える ― 相手の部下や関係者の名前まで覚える。「覚えてくれている」は最高の褒め言葉
原則3:喜びを運ぶ
お客様の期待を「少しだけ」超える。100%の期待に対して101%を提供する。
- 頼まれた資料に、頼まれていない追加情報を添える
- 納品時に手書きのメッセージカードを添える
- お客様の業界に関する最新レポートを見つけたら即共有する
- 期待を大きく超える必要はない。「少しだけ」が継続可能で効果が高い
コンサルタントの教科書
長期的な顧客関係を築くコンサルティング型営業の知恵。
4つの着眼点
顧客を深く理解するための4つの視点。この4つを押さえれば、提案の精度が飛躍的に上がる。
| 着眼点 | 視点 | 具体的な質問 |
|---|---|---|
| 業界 | 業界全体のトレンド・課題 | 「業界全体として今、何が一番変化していますか?」 |
| 企業 | その企業特有の状況・戦略 | 「御社の中期経営計画で最も重要なテーマは?」 |
| 部門 | 担当部門の目標・課題 | 「〇〇部門として今期達成すべきKPIは?」 |
| 個人 | 担当者個人のキャリア・関心 | 「〇〇様ご自身が今注力されていることは?」 |
この4つのレイヤーを全て理解している営業は、お客様にとって「外部ブレイン」になれる。単なるベンダーではなく、戦略パートナーとして認識される。
口コミが最強の営業
- 新規営業コストは既存顧客維持コストの5倍
- 紹介経由の商談は、成約率が通常の3〜5倍
- 口コミは「お願い」して生まれるものではなく、感動体験の結果として自然に発生する
- 紹介が生まれる条件:①期待以上の成果 ②人として好かれている ③紹介しやすい仕組みがある
LinkedIn活用
BtoB営業におけるLinkedInの戦略的活用法。
LinkedIn営業の5ステップ
プロフィールを整える
プロフィール写真はプロが撮影。見出しには「〇〇業界の課題を解決」等、価値提案を入れる。経歴欄は実績ベースで記載。
ターゲットを検索・フォロー
業界・役職・企業規模でフィルタリング。まずフォローして投稿を観察する。
価値ある投稿で存在感を示す
業界知見・ノウハウ・事例を週2〜3回投稿。「この人は詳しい」と認知される。
コメント・いいねでエンゲージ
ターゲットの投稿に有意義なコメントを残す。単なる「いいね」より、洞察のあるコメントが効果的。
自然な形でコンタクト
関係が温まった段階でメッセージ。「いつも投稿拝見しています。〇〇について情報交換しませんか?」
週の活動目安:投稿2〜3回、コメント10件以上、新規つながり申請10件、メッセージ5件。3ヶ月継続すれば、月2〜3件の商談がLinkedIn経由で発生するようになる。
事前期待マネジメント
顧客満足 = 実際の成果 - 事前の期待値。期待値をコントロールする技術。
顧客満足度 = 実際の成果 - 事前の期待値。つまり、期待値が100で成果が90なら「不満」。期待値が80で成果が90なら「満足」。同じ成果でも、期待値のコントロールで天と地の差が出る。
事前期待マネジメントの実践
- 過剰な約束をしない ― 「絶対に成果が出ます」は禁句。「〇〇の条件が揃えば、△△の成果が期待できます」と条件付きで伝える
- 最悪のケースも共有する ― 「うまくいかない場合のリスクも正直にお伝えします」で信頼が深まる
- マイルストーンを設定する ― 「1ヶ月目は〇〇、3ヶ月目は△△を目指します」と段階的なゴールを提示
- 進捗を定期報告する ― 悪い報告も早めに共有。サプライズの「悪い知らせ」は最悪
- 成果が出たら数値で報告する ― 「おかげさまで」ではなく「〇〇が△%改善しました」と具体的に
期待値コントロールの3パターン
| パターン | 期待値 | 成果 | 結果 |
|---|---|---|---|
| オーバープロミス | 高い(100) | 普通(80) | 不満 → 解約・クレーム |
| イコール | 適正(80) | 適正(80) | 普通 → 継続するが紹介は出ない |
| アンダープロミス | 控えめ(70) | 普通(80) | 感動 → 継続+紹介発生 |
プロの営業は常に「アンダープロミス・オーバーデリバー」。控えめに約束し、期待以上の成果を出す。これが口コミを生み、紹介の連鎖を作る。
口コミ営業
最も成約率が高く、コストが低い営業手法。
口コミ・紹介が生まれる条件
- 条件1:期待を超える成果 ― 当たり前の品質では口コミは生まれない。「想定以上」の体験が必要
- 条件2:人として好かれている ― サービスが良くても担当者が嫌いなら紹介しない。人間力がベース
- 条件3:紹介しやすい仕組み ― 「誰に」「何と言って」紹介すればいいか分からないと紹介できない
紹介を生む仕組みづくり
- 成功事例を言語化する ― お客様が他者に説明しやすい「一言で伝わる成果」を作る。「売上が3倍になった」等
- 紹介カードを作る ― お客様が知人に渡せる簡潔な資料。お客様の手間を最小化する
- 紹介のタイミングを見極める ― 成果報告の直後、お客様が喜んでいるタイミングで「お知り合いにも同じ課題の方がいらっしゃいましたら…」
- 紹介者への感謝を必ず伝える ― 紹介の結果に関わらず、紹介してくれたこと自体に感謝する
- 紹介者のメリットを設計する ― 紹介特典・割引など、紹介者にも利益が還元される仕組みを作る
最終的に目指すのは「営業しなくても案件が来る状態」。既存顧客からの紹介が新規営業の50%以上を占めるようになれば、営業組織として最強。そのためには1件1件の顧客対応に魂を込めること。近道はない。